自分の力を試したい。家柄が物をいわず、己れ一人の実力が頼れる世界に出たい――小太刀の名人に養育された孤児佐々木小次郎は、一剣に野望を賭け、恋人を捨て、故郷を捨てた。やがて、出雲のお国の舞い姿に啓...
剣名上がり、新流派を興した小次郎は、曲折の末に結ばれた恋人と平穏な日々を送っていた。そんなとき、剣による自己完成をめざすもう一人の天才が登場する。宮本武蔵だ。かくて、浜ぐるま咲く孤島・船島の浜で...