夏の盛りから虫の音ひびく秋へ、日ごと寒さは増しやがて雪が......。「春夏」に続く芳潤な小説集。
街を行き交う一見普通の人々。実は彼らには事情があるのです。日常の風景に潜む不条理を描く、読むエッシャー。
若くして逝った姉。遺された義兄と私。一軒家でのふたり暮らし。秘められた仕事。ミステリアスでスウィートな義兄と弟の物語。
ひと癖ある近所の人々。家と家とがつなぐ人々の縁――。すべての人の胸の奥にある、なつかしい風景を呼び起こす連作小説集。
親戚の家から引き取った、古い紅い箪笥。長い年月を経たその抽斗からは、ときおり不思議なものたちが現れる。
宝来家で飼われているネコ兄弟、チマキ、ノリマキ。複雑な関係だが仲がいい家族のために、息子は体によくて美味しい料理を作り続ける
父の死から始まる、家族のルーツを巡る娘の旅。第43回泉鏡花賞、第68回野間文芸賞受賞作。
近所の小母さんが遺した、謎めいた「暗号」。隣家に住む姉妹とともに解読をこころみる佐保(さほ)は、土地に根づく習俗がからみあう、不思議な世界に迷いこむ。幾重にも交わる家や人の縁、わけしり顔の兄、そ...
親戚の家からゆずりうけてきた、古い紅い箪笥。年ふりたそのひきだしからは、時に不思議なものたちがあらわれる。そして箪笥によばれるように、この界(よ)ならぬ人びとがわたしを訪ねてやってくる――。現実...
「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務に...