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2004 アテネ・オリンピック
柔道

柔道の注目選手
柔道男子60キロ級の野村忠宏(ミキハウス)は今回、今まで世界中の柔道家が誰一人として成し遂げられなかった「オリンピック三連覇」という偉業を成し遂げた。
父は天理高の柔道部監督、叔父はミュンヘン五輪の柔道軽中量級金メダリスト、母は東京オリンピックで競泳の背泳ぎの代表候補になるほどのスポーツ一家に生まれた野村選手。これだけ聞くと幼い頃からさぞ強かったのだろうと思ってしまう。しかし、実際はそうではない。兄とともに自宅隣の道場へ通い始めるも負けてばかり。中学時代に女の子に負けたことでようやく本腰を入れて柔道を始めるもなかなか結果は出なかった。高校時代はインターハイに出場するものの予選で敗退。その後、天理大学に進み、遂に才能を開花させる。基本を何より重んじ、小細工が許されない天理柔道。持ち技と呼べるものはたったの二つ。しかし群を抜く二つの技と磨き上げて強い心で世界を制した。
そして今回のアテネでは僅か10分足らず、決勝以外はオール一本勝ちという堂々たる結果。
早熟で選手生命の短い現在のスポーツ界では極めて珍しい大器晩成型。数多くの天才が生まれは消えていく中で成し遂げたオリンピック3連覇。北京五輪では33歳となり、円熟期を迎えるが、是非とも前人未到の4連覇に挑んでもらいたい。

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